真面目で仕事熱心な日本人は、バーンアウトすなわち「燃え尽き症候群」と呼ばれる症状に陥る人が多い傾向にあります。これは意欲的に仕事に取り組んでいたのに、急に仕事への意欲を失う症状です。仕事のストレスにより発症するケースが多く、医療従事者や福祉従事者、教師など、人を支える職業の人がなりやすいといわれています。
バーンアウトの主な症状の一つに、「情緒的消耗感」が挙げられます。これは情緒的に仕事に尽力した後、疲れ切った状態をいいます。周囲への気遣いで情緒的に消耗した場合を指しており、極度な精神的な疲れが身体的にも現れてきます。特にやりきっても結果が伴わない場合には、喪失感と疲れが同時にのしかかってくるため、ダメージも大きくなります。
二つ目に、「脱人格化」があります。これは、相手に対して非人道的で思いやりのない態度をとってしまう症状のことです。人のせいにしたり、悪口を言ったり、人付き合いが嫌になるなどの症状が現われるとされています。これは、情緒的エネルギーを無くした自分を守る為の行動であるとも言われています。
三つ目に、「個人的達成感の低下」もあります。情緒的消耗感と脱人格化の症状が出れば、当然周囲と上手くコミュニケーションが取れなくなってきます。結果、仕事の成果が落ち込み、達成感を感じられなくなります。同時に自己否定感も強まることで、仕事の質が下がる悪循環に入ってしまいます。こうなれば、モチベーションが下がることはもちろん、症状も悪化し、仕事を続けられなくなる可能性も出てきます。
バーンアウトになる背景には、個人の性格的な部分や、仕事の負担・葛藤といった部分が深く関わっています。もしバーンアウトの症状を自覚した場合は、その原因が性格的なものなのか、もしくは仕事の環境的なものなのかを見極めて、対策を取っていくことが大切です。